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2009/07/09歌舞伎座さよなら

誕生日のプレゼントとしていただいたので、歌舞伎座さよなら公演と銘打った七月大歌舞伎を観に行きました。夜の演目は名作「夏祭浪花鑑」と泉鏡花「天守物語」。

「夏祭浪花鑑」はNHKのテレビ番組で「任侠の原点」として詳しく解説されていたのを興味深くみた覚えがあります。今では「任侠」というと何となくいかがわしくて恐いイメージを抱きがちですが、本来の清々しく潔い我慢の美学を、松井今朝子さんがとても分かりやすく語っておられます。http://archives.nhk.or.jp/chronicle/B10002200090904280030131/

「天守物語」を観るのは私自身二回目です。配役の好みはあれども、鏡花らしい妖しげな演出は変わりなく楽しめました。玉三郎丈演じる富姫の「翼あるものは、人間ほど不自由ではない。」という台詞にはいつも唸らされます。

銀座にある歌舞伎座は121年もの間、改修を繰り返して歌舞伎の殿堂としての歴史を育んできましたが、来年2010年4月には閉館予定。解体後の建築はADK松竹スクエアを担当した隈研吾さんと三菱地所設計のコンビで計画しているそうです。石原都知事の建て替えに関するコメントも話題になりましたね。

kabukiza.jpg


建物が老朽化して、改修したり建て替えしたりといった対策をうつことは避けられないことです。また歌舞伎そのものだって時を経て変化し、人々の見かたや接し方がうつろうのも避けられないことでしょう。

私が初めて歌舞伎座に足を運んだときは、そこに集う人々の期待に満ちた高揚と、いつもより少しお洒落したいなせな後ろ姿を、憧れにも似た心地で眺めたものです。ひとたび芝居が始まればご贔屓の役者へのきっぷのいい合いの手や、若手を励ます力強い掛け声。「伝統」とは何かを頭ではなく肌で感じた貴重な体験でした。

新しい建築にも「その感じ」を受け継ぐことができるか、私たち建築に携わるものすべてが真正面から取り組むべき難しい命題です。

2009/07/02建築プロジェクトを始めるきっかけ/ナノ・アソシエーション代表:鶴市知世さん_対談01

東麻布2丁目プロジェクトのクライアントであるナノ・アソシエーション代表取締役の鶴市知世さんに5回のシリーズでプロデューサーと建築をつくった経験談をおうかがいます。

01_nano.jpg

 

projet JAPON(以下『pJ』): 建築のプロデュースという仕事やプロデューサーという存在を知ったきっかけは?

鶴市さん(以下『鶴』): 建築家から紹介されました。たまたま食事会をした時にメンバーに建築家がいて、土地を探してビルを建てたいという話をしたら、知り合いに地上げ屋?(笑)がいるので紹介しますって。

pJ: 地上げ屋とはかなり違いますが・・・(笑)。その時は自社ビルをつくるというイメージでしたか?

鶴:
あまり具体的なイメージはなかったけれど、もともといつかは自分で何か建てたいというのはあったんです。仕事場も欲しいし、住むところも欲しいし。

pJ: プロデュース契約をした時、プロデューサーがどういう仕事をするか分かっていましたか?

鶴: 正直、分かっていませんでした。

pJ: プロデューサーからの説明が不十分だったでしょうか?

鶴: そうではなく、建築をつくるって普段は経験するものじゃないから、経験則が成り立たなくて想像できませんでした。車を買うなら、初めてでもディーラーに行けばカタログを見て買える。建て売りの家やマンションを買うのも現地やモデルルームに行けばモノがあって、住宅ローンの銀行を紹介されたり、頭金が必要か相談したり。その程度は大体想像できるじゃないですか。流れに乗っていけばよいだけですよね。でもゼロから自分で建てるために測量を依頼したり、銀行で土地の決済をしたりしなければいけないというのはありきたりの日常生活では起こらないことだと思うんです。

pJ: 一般の人にとっては自分ですべてできるという認識はないでしょうね。

鶴: ないです。私の場合、土地も持ってなかったし、さらに建物を設計して、となったのでカタログや広告で選ぶような車やマンションとは全然違いました。プロデューサーという仕事がピンとこなかったという以前に、土地を買う、建築家と設計の打ち合わせをする、工事をして建てるということすべてがピンときていない状況でした。

pJ: 何だかよくわからないけど、とにかくまずはスタートをきろうという感じだったのですね。

鶴: そうです。どれもよくわからないで始めたけど、やらなければいけないことをプロデューサーがコントロールしてくれるという状況になり、逆にプロデューサーが教えてくれるから、土地や銀行を探すプロセスでもこんなにもやらなければいけないことがあったんだということに気づきました。私自身は設計を建築家に頼んでみようということ以外は何も考えてなかったので。やってみて初めて建て売りやマンションはそのやらなきゃいけないことも全部込みの価格だからあれだけ値段が高いんだなと・・・。

pJ: そのうえ商品を売るための広告宣伝費も価格に転嫁されますからね。


>次回は「土地を探して買う」というプロセスについてお話をおうかがいします。

東麻布2丁目プロジェクトについてはこちらをご覧ください。

 

2009/06/23深海ワンダー やってみました

文部科学省の深海ワンダーなるサイトをみました。

潜水調査船しんかいワンダー号に乗ってジュールと名付けられた人工知能とともに深海を旅しながら探検報告書をつくるFlashサイトです。http://www.mext.go.jp/wonder/

水族館でもついつい深海コーナーに長居してしまう私としては心惹かれるものがあります。当然ながら深海ワンダーにもうっかり長居してしまいました。

フライトシミュレータのようなリアル感はないものの、マリンスノー漂う深海を海流に流されながら移動するのはやはり神秘的。宇宙好きにも共通するかも知れませんが、未知なる世界にはえもいわれぬ魅力がありますね。人間には生来のフロンティアスピリットがあるのでしょうか。夏休みにお子様とご覧になってもよいかも知れません。

しんかいワンダー号は独立行政法人の海洋研究開発機構が所有する大深度有人潜水調査船「しんかい6500」をモデルにしているようで、サイトに詳しい説明が出ています。

ところで独立行政法人って何だっけ?と思って調べてみたら、何と100以上の法人があるようで驚きです。何でも「国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として・・(中略)・・設立される法人」だそうです。

うーん・・・わかるようでわからん。行政改革の号令のもとに省庁から切り離され、今では少しずつ統廃合されているようです。

宇宙や深海のことでなくても知らないことがいっぱい。そう言えば今さらながら最近読んでみたこの本には、偶然にもフロンティアスピリットのことも行政改革のことも書かれていました。

 

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